OTOGI Rock'n'rool
「帰り、どうしよ…」
ビショビショに濡れてしまった靴を眺めて、ため息をつく。
家からここまで、結構距離あるのになぁ…
「あーーーっ!!!!!」
私が悩んでいると、急に真崎くんが叫んだ。
声がした方を向くと、グラウンドの奥に立っている真崎くんの姿が。
「こんなとこに靴が!」
そう言って真崎くんが指差した先には、確かに靴。
だけど…それって……
「あの、それ…」
真崎くんの、靴じゃ…?
「誰か落としたんだろーなあ!」
棒読みで言う真崎くんの右足は、まだ靴下のまま
真崎くんは、一体…何がしたいの?
「ちょーどいー!シロミちゃん履きなよ」
「え…っ」
タタッと小走りで、私の所に片方の靴を持ってくる真崎くん。
再び目線を下にずらせば、やっぱり真崎くんは片足しか靴を履いていなくて…