OTOGI Rock'n'rool
 


私に、貸してくれようとしてるの?靴…



「あ、でも、真崎くんが…」

「うあっ、大丈夫!たぶん臭くねーって持ち主の人も思ってると思うって思う!んあ?思ってるって思ってるって思う?えーと…」



自分の言ってることに首を傾げる真崎くん。

匂いなんて、全然気にしてないのに



「そうじゃないの、なんか勝手に履いちゃってもいいのかなって…だって、知らない人のだし…もし持ち主さんが探しにきたら…」



あくまで自分の靴じゃない振りをする真崎くんに、あえて合わせてみた。



「あ!そっか…!いや、えっと…あ!お弁当のお礼!!」

「お弁当?」

「ぅあ、違っ…
って!言ってた!靴の持ち主が!!」

「聞いたの?」

「ん、おいら案外人脈ひろいから!」



自信たっぷりに言う真崎くんがおかしくて、笑ってしまった。



「そうなんだ!」



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