OTOGI Rock'n'rool
「じゃあ、ありがとうって伝えておいてくれないかなぁ?持ち主さんに」
「どーいたシマシマシティ!!!」
「あはっ、ありがとね」
自分で返事をしてしまう真崎くんに笑いながら、もう一度お礼を言った。
ビショビショの靴はビニール袋に入れて、行きよりも軽くなった鞄を持ち、ギターケースを真崎くんに返す。
「今日は本当に、いっぱいありがと「おいら、黒の次に赤が好き!」
お別れのあいさつをしようとした時、急に真崎くんがそんなことを言った。
「タコのウインナーにケチャップライス、あとはミニトマトとかっ!あ、もちろんイチゴも!」
「…そうなんだ?」
突然、そんなことを言う真崎くんの意図がわからなくて首を傾げる。
あ…
そっか。
「もし今度、お弁当作る機会があったら、赤ばっかりにしよっか?」
私が言うと、真崎くんが柔らかく笑って頷く。
その笑顔にキュンとして見とれていれば
「へっ、赤い」
と、真崎くんに顔を指差されて笑われてしまった。