OTOGI Rock'n'rool
だけど、真崎くんはこの味が好きなんだな
なんだか、真崎くんが好きな物と全く同じ物を味わえてるっていうことが、すごく嬉しい
もしかしてこれって恋の味かも、なんて思いながら二口目を飲めばやっぱり物凄く甘くて。
私はお水とホットチョコレートを交互に飲んでいた。
ギターが好きとか
赤が好きとか
甘いのが好きとか
もっともっと知りたいな
真崎くんのこと。
私が甘いホットチョコレートをグイッと飲み干したのと同時に、お店のドアが開いた。
そこには前に見た時と同じ様に、両手に大荷物を抱えたクララさんが立っていた。
「あ、おかえり」
マスターはそれに気付くと磨いていたコップをその場に置いて、クララさんの元へ行き荷物を受け取った。
「毎回毎回重いのに悪いね」
「や、いーよあたしの仕事だし」
荷物をお店の奥に置きに行き、戻ってきたクララさんと目が合う。
小さく頭を下げれば、クララさんはあぁ、と口を開いた。
「この前の、翔の友達の子」