OTOGI Rock'n'rool
「ねぇっ!あの人ってこの前かっちとファミレスいた人だよねぇ!?」
「かっちが貢がせてる男なんてどんな奴だろうと思ってたけど、なんか意外とかっこよくなーい?」
志乃と沙穂がきゃっきゃと騒ぐ。
「かっちはどう思ってんの?あの人のこと」
「さっきだって仲良さげだったし、もう付き合ってもらっちゃえば?」
二人のテンションが上がる程、かっちの眉間のシワは増えていく
明らかに今のかっちは不機嫌だった。
そんな時に、タイミングが良いのか悪いのか、ジュースを載せたおぼんを持った咲也くんが部屋に入ってきた。
「失礼しまーす」
「あっ!ちょーどイイトコにっ!!
ねぇおにーさん、彼女とかいないんですかぁ?」
酔っ払いみたいに、沙穂が咲也くんに絡む。
「え、あーまぁ今はいないっす」
「じゃあ好きな子とかは」
志乃がそう聞くと、咲也くんは一瞬チラッとかっちの方を見た…気がした。
「っあー…、どうだろ?」
それを咲也くんは笑って誤魔化す。