OTOGI Rock'n'rool
「じゃあじゃあー、この子なんてどう?性格はちょーっと変わってるけど、付き合ってみたら楽しいかも!」
志乃がかっちの肩を掴んでグイッと前に押す
「はぁ?なんでうちがこんな奴と」
「いーじゃん、別に好きな人がいるわけでもないんだしぃー」
「誰が居ないと言った」
あ…かっち……
「「「え?」」」
かっちの言葉に、3人の動きが固まる。
「っは、お前に好きな男なんていたんだ」
「居たら悪いのか」
「や、別に…なんつーか意外?っつーか…」
明らかに少し動揺してる咲也くんに、かっちが無表情で言う。
「前にも言ったが、お前は"無い"からな」
「っ、わかってるっつーの!」
かっちと咲也くんはお互い睨み合うと、フンッと顔を背けた。
「じゃー、ごゆっくり」
バタン、とドアが閉まる。
その瞬間かっちは二人から"好きな人"のことについて質問攻めにあっていた。
私はなんだか、咲也くんのことが気になって…
「ちょっと、トイレ!」
急いで部屋を飛び出した。