OTOGI Rock'n'rool
部屋を出てすぐに、咲也くんの後ろ姿を見つけた。
階段を上ろうとしていた咲也くんの肩を慌てて叩いた。
「ちょっ、ちょっと待ったあ!!!」
言ってから、しまったと思った。
「…ぶはっ、何その止め方うけるし!」
ぎゃははと咲也くんが吹き出す。
「や、あのっ今のは昨日見たドラマのセリフでっ…!て、そんなことよりっ」
「あ?どした?」
笑顔で咲也くんが振り返る。
「あっ、あの…咲也くんってやっぱり…」
やっぱり、咲也くんって
前は否定してたけど、本当はかっちのことが好きなんじゃ…
「あー、もしかして美優ちゃん、俺がアイツのこと好きかもとか思ってねぇ?」
「えっ」
「何回も言ってるけど違うって、マジ
あんなんありえねーから」
ないない、と咲也くんが手を横に振る