OTOGI Rock'n'rool
でっ、でも…
「私は、咲也くんの友達だけどかっちの友達だし、かっちの好きな人のことも知ってるから
咲也くんの応援はできないけど…でも…自分の気持ち否定するのは、良くないと思う」
もし、咲也くんが今本当に恋をしてるんだとしたら
それを捨てちゃうなんてもったいない
だって私なんてずっとずっと夢見てて、最近やっと生まれて初めての恋をした。
だからそういう気持ちって、もっともっと大事にしなきゃいけないんじゃないかなぁ、って思う。
「…美優ちゃんには、俺がアイツのこと好きなように見えてんの?」
咲也くんの問いに、返事の代わりに小さく頷く。
「そっか、美優ちゃんが言うならそーかもな!」
そう言って咲也くんがにっと笑う。
それって…
かっちのことが好き、って
認めるってこと?
「あ!!!」
通路に流れる音楽に混じって、男の人の声が響く。
でもそれは、咲也くんの声ではなくて
声がした方を向けば…