OTOGI Rock'n'rool
 


「超ぐーぜん」



そう言いながら笑って白い歯を見せるのは



「るっ、塁くん!」



かっちの想い人、塁くんだった。



「白木も来てたんだ」

「あっ、うん!
ていうか塁くん、部活は?」

「あー今日は休み
だから部活のみんなで来てたんだ」

「そうなんだぁー」



ほんと、偶然。

なんか前にも3人で話してたことあったなぁ…

確かあの時は、真崎くんが自転車のベルをいっぱい鳴らしながらやって来て…



―チリン



そんなことを思っていると

ちょうど、小さくベルのような音がした。



「え…」



音がした方を向くと、携帯を片手に持ったかっちがこちらに向かってきている所だった。

ベルみたいな音は、きっとかっちの携帯についている鈴のストラップ



「かっち、どうしたの?」



私が聞くと、かっちは携帯から視線をはずしてこちらに向けた。



「あぁ、いた美優
ちょうど今電話する所で…」



言いかけた所で、かっちの言葉が止まる。



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