OTOGI Rock'n'rool
かっちの視線の先には、塁くん
居たのが予想外だったからか、かっちが珍しく固まっていた。
「あぁ、"朝超早起きな子"だ」
かっちを見た塁くんが、そう言って笑顔を向ける。
だけどかっちはその瞬間、眉間に深くシワを刻んだ。
「え、なに俺何かマズイこと言った?」
「あ、違うと思うっ」
たぶん、今のは決してイライラしてるわけじゃなくて、照れ隠しみたいな行動だと思う。
顔がほころびそうになるのを、必死に堪えてる…とか。
「かっちっ、顔!顔!!」
「…わ、わかってる」
私の意見を受けてすぐ、かっちは元の無表情な顔に戻した。
「つーかさ…」
咲也くんはそう言って、私と塁くんを交互に指差す。
「塁と美優ちゃんって、似合ってると思うんだよね、俺」
な……
私と、塁くんが!?
何言ってるのかっちの前で!
あ、でも咲也くんはかっちの好きな人が塁くんだって知らないんだけど…