OTOGI Rock'n'rool
 


「なっ、何言ってんだよしょーやん!!!」

「そっ、そうだよ!!!」



私と塁くんで、慌てて否定する。



「だいたいっ、白木は真崎が好きで…」

「そーなんだよなー、そこいっつも気になってたんだけど、美優ちゃんは真崎なんかのどこがいーわけ?」



どこ、って…

それは



「アイツ馬鹿だしさー、すっげー音痴だし意味わかんねぇし、イイトコ全然ねーじゃん
だったら野球やってて硬派な塁のが「真崎くんのこと、悪く言わないで」



確かに真崎くんは、ちょっとヘンなとこあるし、歌だってそんなに上手じゃないし…

けど

いい所はいっぱいある。

荷物持ってくれたりとか
靴貸してくれたりとか
笑いかけてくれたりとか

他にもいっぱい。

まだ、知り合って少ししか経ってないけど…でも……



「真崎くんは、優しいもん」



子供みたいに、ぶすっと口を尖らせて下を向く。



だから…

私の好きな人のこと、否定しないで。



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