OTOGI Rock'n'rool
「じゃー、仲直りっつーことで!この話は終わり、な!!」
私が悪くしてしまった空気を、そう言って塁くんが和ませてくれた。
「うん、ありがとう」
塁くんは、本当にいい人だと思う。
咲也くんには悪いけど、かっちが初めて好きになった人が、塁くんで良かったと思った。
「……………おい」
かっちが、くいっと咲也くんのシャツの裾を引っ張る。
「店員だろ、トイレまで案内しろ」
「はぁ?」
咲也くんはさっきのかっちみたいに、最初は眉間にシワを寄せていたけど
一度頭をかいてから、くるりと報告転換をして奥を指差す。
「チッ、めんどくせーな…こっち。」
トイレに向かって歩き始める咲也くんのその後にかっちも続く。
「美優、うちトイレ案内されてくるから」
じゃ、と片手をあげてかっちたちは行ってしまった。