OTOGI Rock'n'rool

謎の美少年

 


「美優ー、そこのペン取って」

「あっ、はい!」



いつも以上に賑わう教室

只今、みんなでポスター作り中。

何のポスターかっていうと、もうすぐ行われる学校祭の。

私たちの高校は、周りの高校より少し遅くて

いつも沢山の人が来てくれる。



「美優は、王子様誘うの?」

「え?」



学校祭は、女子校に1年間で唯一男の子が来る日。

だからみんなの気合いも普通じゃなかった。



「え?じゃなくてっ、チケット!5枚あるでしょ、美優は家族2人しかいないから、3枚余るじゃん」



そう言って沙穂がチケットをヒラヒラさせる。

うちの高校では招待チケットが1人5枚配られる。

それは別に全部を誰かにあげなくてもいいし、余ったら足りない友達にあげてもいい。

私は家族にしか渡さないから、いつも3枚余るんだ。



「あ…そっか!」



だから、真崎くんを誘えばいいんだ!

いつも捨てちゃうチケットに、初めての使い道が出来た。



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