OTOGI Rock'n'rool
 


「ちょっとー大変っ!男がいる!!!」



いつからそこに居たのか、窓の外の景色に釘づけになっていた志乃が、興奮しながら私たちに向かって手招きをする。



「なんの騒ぎだ」



かっちが妄想を止めて、志乃の近くへ行く。



「なんかー、男の人がが学校の敷地に入ってきてー…あっ!今校門の外に隠れてた人も先生にばれたっ!」

「えー、何それって変質者ぁ?きもいんですけど」

「違うのっ!それがちょーカッコイイんだって!!しかも北高の制服だしっ」



そう言ってきゃっきゃと志乃が飛びはねる

彼氏いるくせにぃ…



あれ…でも、北高って



「美優…」



珍しくかっちが顔を引きつらせて、私を見る。



「どうやら本当に緊急事態だ」



予感がした。

みんなが指差してる先には、きっと…



「真崎くんっ!?」



私の大好きな、真崎くんの姿。

私が窓の外を見た時には、真崎くんと咲也くんが先生に怒られている所だった。



< 96 / 166 >

この作品をシェア

pagetop