まえがみ
「佳乃、おはよう!」
「おはよ。」
…毎朝、学校に着く度あたしにこうして声をかけてくれていた君は、もういない。
あたし、仲谷佳乃。
恋をしていたら、いつの間にか自分を見失っていた。
全て君に染まってしまっていたよ。
「佳乃、パン買いに行かねー?」
「うん、行く!」
同じクラスだった頃。
毎日いつも一緒に居たよね。
あたしはいつもドキドキしてたの、君は知ってた?
「お前馬鹿だ~ッ」
っていつもあたしのこと笑ってたね。
…ただの馬鹿なんかじゃないんだよ。
君を目の前にしちゃうと、緊張しちゃうから馬鹿なことしてごまかしてるだけ。
でも、君からの言葉はいつも優しさで満ち溢れていたから、なんだって嬉しかった。