空と海の絵かき歌
「珍しく積極的じゃな?」
「えっ?」
「部屋で二人きりがええんじゃろっ?」
後ろからそっと囁かれた声が耳たぶを掠めて、恥ずかしさを二倍にする。
とっさに耳を押さえたけど、きっと既に顔は真っ赤だ。
晴天がニシシッて悪戯っ子みたいに笑ってるのが何よりの証拠。
「もう宿題見てあげないっ! 晴天ママにも言うっ!」
「それは勘弁や。飯抜かれる」
後ろから聞こえて来た声に全く困った様子は見受けられない。
むしろ楽しそうに笑う声が聞こえてくる。
悔しいからもうちょっと怒ったままでいよう。
家に着く頃にはわたしの機嫌が直ることを、多分晴天は知ってるはずだから。