空と海の絵かき歌
「こんなとこでサボってる……」
砂浜の指定席で仰向けに寝転がっていた晴天に、駆け寄って声を掛けた。
気持ち良さそうに閉じていた瞳をチラっと開け、斜め上に立つわたしを確認する。
「パンツ見えとるぞ」
「ジャージ履いてるんだから見えるワケないでしょ」
立て看板の色塗りをする為とはいえ、スカートの下にジャージを重ねて履いてたのは正解だ。
「いやぁ。俺には見えとるよ……黄色が」
「っ!?」
見えるはずの無い下着の色を言い当てられ、思わずスカートの裾を押さえた。
「当たりじゃ……ククッ」
意地悪く笑った晴天の顔でやっと騙されてたことに気付き、
「もぅっ。変なコトばっか言わないでよ」
その場にしゃがんで晴天のおでこを叩いた。
「そう、カリカリすんなって。ほれっ」
「わぁっ」
晴天のおでこを目掛けて伸ばした腕はアッサリ掴まれ、そのままコロンッと隣に寝ころばされてしまう。
「何すんのよっ、晴天」
「ヘタクソがおったら足手まといやろ。おまえもここでサボっとれ」