空と海の絵かき歌
「わかっとる。だから、夜空がやっと朝になったんじゃ」
手を繋いで歩く道は変わらない。
懐かしい気持ちに相俟って、新しい感情が湧き上がる。
小さい頃とは違う、でも大好きって気持ち。
恋しくて愛しくて、掛け替えの無い存在。
「終わったらじぃじのとこに報告に行こうよ」
「……なんの?」
わたしの言葉に、晴天はあからさまに嫌そうな顔をする。
そんな顔したってダメダメ。
ホントは大好きなの知ってるんだから。
「晴天がじぃじのこと大好きって」
「わざわざ言わんでええし」
でも、それがじぃじとの答え合わせなんだから。
ちょっと不機嫌そうな顔はきっと、照れ隠しだ。
「親友じゃ。じじぃは」
歳の差、六十歳の親友。
そう言い切ったときの晴天の顔は、晴れ晴れとした満面の笑顔だった。