空と海の絵かき歌
約束しよう
例年以上の盛り上がりを見せた体育祭も無事終わり、学校にはまたいつもの日常が戻ってきた。
しばらくすれば期末テストが始まって、また晴天の勉強を見て……、
一緒に夏休みの宿題やったり、いつもと変わらないけど、穏やかで幸せな毎日が続いていく。
「晴天っ!」
晴天ママから話を聞くまで、そんな日が続くって疑いもせず信じていた。
砂浜の指定席は段々と夏の日差しに照らされ始めている。
「海汐」
夏用の制服に衣替えした晴天が、ゆっくりと振り返って小さく笑った。
「……じぃじに付いて行くの?」
わたしの言葉に晴天は驚いたように目を見開いて、
「一人じゃ行かせられんからな」
すぐ困った顔で笑って、わたしの頭をクシャクシャに撫でた。
退院した晴天じぃじは、画家石川 晴豪として最後の創作旅行に出掛けると言い出した。
晴天ママ曰く、それに晴天も付いて行くらしい。
晴天ママがそれを言われたのも、学校に休学届けを提出した後だったって、すごく怒ってた。