機動装甲FINAL
PHASE02

アークス

コンロット社の代表取締役に就任して長いが、実際にAMのコクピットに…ましてや実戦の場で搭乗する事になるのはこれが初めてだった。

しかし…。

「悪くない」

私は薄笑みを浮かべて、メインモニターに映る国連軍の機体の慌てふためく様子を見ていた。

この機体…CAM-003 ギガンテスは、AI制御によって動くAMだ。

特殊な訓練を受けていない私は、コクピットで高見の見物をしているだけでいい。

それにこの巨体。

加えて全身のいたる所に大口径重金属粒子砲を装備し、更にはSフィールドまで持っている。

死角らしい死角の見当たらない、拠点防衛用大型AM。

如何に帝重工と国連軍が躍起になって新型AM…あのオーディンとやらをロールアウトしたところで、このギガンテスには手も足も出まい。

事実、先程から機体が微かに震動している。

国連軍のAM部隊によるビーム兵器やミサイルによる攻撃を受けているのだ。

だが強固な装甲、何よりSフィールドによって攻撃は完全にシャットアウトしている。

こちらの損害は皆無だった。

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