機動装甲FINAL
喚いても叫んでも、コンロット社のAM部隊の攻撃は容赦がない。

戦意が削がれる、なんて甘ったれた言い訳は通用する筈もなく、私も真紅郎も脱力したままで敵機の弾幕を回避し続けるしかなかった。

攻撃する気力がない。

敵を墜とす…そのモチベーションを維持できない…!

と。

「帝少尉、白金少尉!」

グリフォンのオペレーター、レノン・マリアーナ少尉から通信が入った。

「あの大型AMから流されるシェリンの歌声は特殊な機材を通したものであり、その歌声には戦意喪失精神干渉効果があるという分析結果が出ました!」

「戦意喪失精神干渉効果…だと?」

真紅郎の眉を潜めた表情が通信モニターに映った。

小難しい言い方ね。

要するに、やる気が失せちゃうって事!?

こんな言い方してしまうとそれこそ脱力してしまうけど、戦場で戦意を削がれるという事は、それこそ軍の士気そのものに影響が出る。

士気の上がらない部隊など、烏合の衆に過ぎないのだ。


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