機動装甲FINAL
帝重工評価試験基地襲撃に端を発したコンロット社の軍事行動は、最早テロの域を超えていた。

傭兵部隊、AI搭載型AMの投入による各地での国連軍との戦闘行為。

そして目的不明ながら、『銀河の美声』シェリン・コスミティア嬢の誘拐にまで発展している。

看過できる状況は既に通り越していた。

これは紛争…いや戦争である。

どのような理由があろうとも、無関係の民間人を巻き込んだ戦闘行動を仕掛ける者に対して、国連軍は武力を以って介入する。

武力を以って武力を鎮圧する。

そんな矛盾した行為の為に、軍は存在するのだ。

…月軌道上に集結予定の部隊は、機動母艦10、AM60機。

民間企業に武力介入するにしてはかなりの大部隊である。

しかしそれでも、私は国連軍上層部がコンロット社を軽んじていると考えていた。

…連中はただの技術屋の集まりではない。

れっきとした戦闘集団だ。

数で押せば勝てる。

そのような生半可な相手ではないというのに…。






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