機動装甲FINAL
機動母艦グリフォン艦橋。

突然現れた私の姿に、操舵士のカイゼル・スター軍曹が、オペレーターのレノン・マリアーナ少尉が目を白黒させていた。

メカニックのマーク・マッカートニー曹長までもが何故か艦橋についてくる中。

「ご無事で何よりです、シェリン・コスミティア嬢」

艦長の宗方泰山中佐だけが冷静だった。

「しかし現在艦橋は作戦行動中です。如何に『銀河の美声』といえど、特別扱いは…」

「そのような事は聞いていません」

私は艦長にピシャリと言ってのけた。

目上の…しかもこの艦の全権を握る宗方艦長に対して無礼なのは承知。

でも。

私はツカツカとレノン・マリアーナ少尉の元へと歩み寄る。

「全方位への通信回線を開いて下さい」

「え…!?」

慌てるマリアーナ少尉。

私と、艦長の顔を見比べながら、ただひたすらにオロオロとする。

…私は大きく息を吸い込み。

「早くなさい!!」

「……」

宗方艦長が渋々頷くのが、視界の端に見えた。

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