機動装甲FINAL
コクピット内で舌打ちする。

チマチマやるのは性に合わない。

俺はコンソールのテンキーを素早く叩いてロックを解除した。

システム移行。

「グングニル、マルチロックモードへ」

小口径のビーム銃身が幾つも集まって形成されているグングニル。

俺はその砲身を混戦の中へと向けた。

途端に次々とロックオンされる機体。

これほどの乱戦の中でさえ、オーディンのマルチロックシステムは識別信号を感知し、的確に敵機だけを捕捉していった。

「射抜け、裁きの槍」

俺はトリガーを引く!

射出されたのは真紅の稲妻の如きビーム。

その数27条。

まるでシャワーのように宇宙空間を横切るその閃光は、迷う事無くコンロット社の機体のみを貫き、撃ち抜き、破壊せしめた。

1機で戦局をも覆すというコンセプトの元に開発された、最新鋭AM。

AM-002 オーディン。

俺の愛機は、その性能を遺憾なく発揮していた。

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