★mangosteen★
その頃
杏は寿司やを出ていた。


先輩風をふかせて
真琴の恋愛相談に
乗ってた自分が
バカらしくなってきた。


真琴は
彼女と別れたばかりで
落ち込んで
寂しくて仕方ないから
一緒にいて!と言った。

人のいい杏は
自分でも必要としてくれてるんだ
と思い
真琴の側にいてあげるよ!
って、優しさ満開だった。


でも・・・

真琴の心にあるのは
自分ではなく
別れた彼女への未練だと気づくのに
時間はかからなかった。


杏は言った。

「彼女、迎えに行きなよ」


真琴は、小さく頷いた。
「ありがとう」


杏は思った。
その言葉だけでいい、と。

真琴は、すぐさま
彼女のいる大阪に向かった。
杏はそれを笑顔で見送った。

「幸せにね・・・!」
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