★mangosteen★
流星はフードを
被っていたから
よく顔は見えなかった。


「何を見ていたの?」


怯えている杏に向かって
フードを取りながら
流星は尋ねた。


「あたし、
フナを見ようと思って・・」


少し安心した杏は
川を指差しながら
顔をこっちに振り向いた。


「あれ?
どっかで見たような・・・」


「貴方はジョギング?」

流星のいでたちを見て
杏が言った。

「俺は、ジムの帰りで・・」

あ!とその時
外灯に照らされた杏の顔を
思い出した。


さっき、寿司屋にいた女だ!
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