サクラ
中学生になると、お互いになんだか気恥ずかしくなって、学校では挨拶くらいしかしなくなっていた。
自宅で遊ぶ事も、滅多に無くなった。
私はこのまま、時が過ぎていくのだと思っていたので、好きな気持ちは胸に秘めたままで居ることにしていた。
だが、彼は違っていたらしい。
中学2年生、始業式が終わったその日。
私は、桜並木の河川敷に呼び出されて、彼から愛の告白を受けた。
勿論、私は即答した。
「私も好きです」
と。
それからは、頻繁に買い物に行ったり、電車で遠出したり、二人きりの時間を過ごす事が増えた。
親には告白した次の日あたりに彼が挨拶に来た事で、公認の仲になっていたから、気兼ねなく遊べた。……手は出すなよという条件もついていたが。
まあ、内緒でも問題無かったと思ったのだが、彼曰く男のケジメらしく。
好きにさせておいた。
何度も喧嘩をして、本気でもう無理だと思った事も何回だってあった。
だけど、私達は常に一緒に居ることを選んだ。