桜の木の下で…

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そこに居られるあなた…
そう、そこのあなた。
あなたは私の声が聞こえておいでですね?

そしてあなたはこの音を耳にしていらっしゃる。

なぜこのような時刻にこのような人里離れた寂しい場所に?
おっと、失礼。理由を聞くのは野暮というものでしょう。

それよりもあなたはこの音の正体を知りたいとお思いですね?
…えぇ、構いませんとも。

どうぞごゆるりとご堪能下さいませ。

けれど、あなたはこれから先、眼にすること、耳にすることに耐えられますでしょうか?

…そうですか。
では、私は何も申しはいたしません。

あなたの気の向くままに。

それではいってらっしゃいませ。
どうぞお気をつけて。
無事にお戻りになられることを心よりお待ち申し上げております。

…え?
つまらない質問をされるお方ですね。
私が誰か、どこにいるのか…などと。
そうですね。あなたがお戻りになられた際にお教えいたしましょう。

それでは今度こそ、心ゆくまでお楽しみ下さい。

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