恋い≒病い
無事に帰れなかったデス…。
私は心の中で呟く。

「大丈夫だよ。」

脂汗をかきながら、アイにはそう答えておいた。

私たちの話は聞こえているはずなのに、斜め前に座っているアイツは澄ました顔で仕事にかかっている。

あの夜の事なんて、本当に気にしていない。
関係ない。
もう忘れてしまったかのような無表情さに私はなお一層ムカついた。





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