恋い≒病い
その頷きが合図の様に、また熱を持った唇が落とされる。

そして額に落とされたそれは瞼へ。

瞼から目尻、頬、鼻の頭。

唇の端へと辿り着いた彼の唇は、私を焦らす様に彷徨い続ける。

耳の際にそれが辿り着いた時には、こそばゆい様な感覚に全身ゾクリと粟立った。

「…ん……」

小さく声を出し顔を背けてそれを回避すると、待っていたかの様に今度は荒々しく唇を覆われる。






< 33 / 42 >

この作品をシェア

pagetop