恋い≒病い
リビングでソファーに身体を沈めている男と、フローリングに正座をしている女。

「……………」

「……………」

お互いに無言で、気まずい空気が漂っていた。

「あ、あのさぁ。」

堪らず口を開いたのは私だった。

「何?」

不機嫌なのを隠す事なく、それを前面に押し出す目の前の男。

その様子を見ていると私も次第にそのイライラが顔に出てくる。



< 5 / 42 >

この作品をシェア

pagetop