遥か遠く
2話
「紺野さぁん」
「はーい」
「店の前に男の方が…」
流美さんは手を止めて、店の前に目をやった。
「あ…ちょっといいかしら」
そう言うと、流美さんは店の前に飛び込んで行った。
彼氏かな?
男の人は妙に大人ぶった人だった。
童顔なのに、スーツを着ている。
それなのに、高校生くらいにしか見えない。
…ホスト?
考えているうちにどうでもよくなり、おでこのあたりで髪を掻き分けた。
「紺野さんて趣味悪くねぇ?」
「え?」
竜也が腕を組み、納得いかない様子で近づいてきた。
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