BE FREE,GO SOUTH

酒びたりの日々

僕は常に、世間の影に身をすくめ、真実の自分の姿があばかれぬよう、

おびえて生きなければならない、そんな同性愛者の境遇に僕は疲れきっていた。

ゲイをまともな人間として扱う気配のない世間を前にして、

いかに生きるべきか全くわからなかった。

そして、どうあがいても、自分はまぎれもなく世間で嘲笑されているゲイそのものなのだと認めるのに力を使い果たした。

世の中が排除し、容赦のない罵倒を浴びせる人間に、生きがいや使命はあるのか。

底無しの無明の闇から、際限なくほとばしりでる自己否定の感情に、

僕はなすすべもなく飲み込まれていった。

同性愛への理解の乏しい大学時代の仲間や家族に、

迷惑をかけずにどうやったらうまく死ぬことができるか、ということを真剣に考えるようになった。

毎晩まんじりともすることができず、アルコールの量が極端に増えた。
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