紅き天
連れて行かれた所は、意外にも普通の店だった。



真夜中しか開いていないらしい。



なんだか怪しげな店で、静乃は用心して脚にくぐりつけてある小刀を確認した。



「おいで。」



言われなくともそばに行くわよ、刀突き付けられてるんだから。



心の中で盛大に突っ込みながら、言うとおりにした。



これから私、どうなってしまうんだろう。



このまま帰してもらえないとか、殺されて沈められるか、一生扱き使われるか…。



嫌な物が頭をよぎる。



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