紅き天
■其の参■
ストーカー
「やべぇ…。」
体が重い。
仕事入れ過ぎた。
呻きながらなんとか立ち上がる。
足元が危なっかしい。
てゆーか筋肉が痛い。
壁にもたれかかっていると父さんが上がってきた。
「ざまぁねぇな、疾風。
やけくそに仕事入れるからだよ。」
「やかましい。」
「…お前、最近ホント言葉遣い悪いな。」
静乃、悪りぃけど恨むぞ。
宗治は心の中で詫びた。
「痛てぇ…。」
宗治は長いため息をついて足腰をさすっている疾風に手を貸した。
「ほら、しっかりしろ。
ったく、女との喧嘩でこんなになっちまうなんて情けない。」
「…相手は静乃なんだぞ。」
だからどうしたである。
静乃に弱い疾風には余程堪えたらしい。