紅き天
「馬鹿だな〜自分からくるなんて。
俺の思うツボじゃん。」



耳元で囁かれ、顔が赤くなる。



「放さないよ。」



言うが早いか、疾風は私の身体をグルンと回し、自分と向き合わせる体制をとり、しっかり私を固定した。



「わっ、ちょっ、疾風?」


「嫌がっても止めないよ、10年待った。」



えっ?と聞き返す間もなく、口付けられた。



「んっ!?」


「喘がせてやる、馬鹿。」



言われるまでもなく、悲鳴に近い声が私の口から漏れる。



頭が真っ白になり、ただ必死で疾風の着物を掴んだ。











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