紅き天
フッと耳元に息を吹き掛けると、悲鳴を上げて盛大に飛び上がった。



こんなリアクションをとられるとこちらとしてはかなり嬉しい。



悪戯心が働いて、俺は静乃の脇腹を突きまくった。



「わっ、ちょっ、キャッ、疾…!」



息も絶え絶えに抵抗を試みている。



うん、いい反応。



「馬鹿!」



クスッと笑った隙をつかれて、蹴り飛ばされた。



「もうッ、嫌い!」



とか言いながら、俺にもたれかかってくるんだもんな。



にへらと笑わずにはいられない。



まったく、いいオモチャだよ。



「だって期待通りの反応されちゃ、悪戯心が。」


「知りません。」



下からキッと睨まれて、俺は首をすくめた。



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