紅き天
「手伝います。」


「悪りぃな。」



これ幸いと、宗治は包丁を静乃に渡した。



そして、ほれほれと台に野菜を置いていく。



「米は疾風が出てく前に炊いていったからいいぞ。」



つまり、おかずを作れと。



静乃は笑いながら頷いた。



そして、はたと宗治を振り返った。



「疾風はどこに?」


「市場だ。
いい薬草ははやめに売り切れちまうからな。」



ああ、と納得し、静乃は野菜を刻み始めた。










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