紅き天
危ねぇ、うっかり口が滑りそうになった。



宗治は土間から上がると、息をついた。



今、疾風は仕事にいっている。



正確には、昨日の夜中からだ。



今頃後片付けをしているんだろう。



ったく、せっかく気をつかって静乃を泊まらせてやったのによぉ。



何もなくして降りてきやがった。



不機嫌に顔を歪め、宗治はケッと息を吐いた。



戻ってきたら、盛大に文句を言ってやる。









その頃、疾風は原因不明の寒気に首を傾げていた。






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