紅き天



「静乃、悪かった。」



ニッコリ笑ったまま大根の味噌汁で米を片付けた静乃に恐れをなし、2人で頭を下げた。




「いいえ〜、喜んでもらえてよかったデス。」



妙にかしこまった言い方に、より一層恐怖が増す。



「お、おう、うまかった。
じゃあなッ!」



空気に耐え切れず、宗治は遁走した。



残された疾風は…。



「飴奢る。」



しかなかった。











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