紅き天
「ああ、呼ばれたのは俺と木更津当主だ。
後の家の当主はどっちかについてるから、代表だけ。」


「何があるんだろ。」



顎に手をやり、疾風は考えた。



もし全滅させるか、潰すならわざわざ呼ばずに家に攻め入ってくるだろう。



こんな形式張った事をなんで…。



「行ってくる。」



宗治はすれ違いざま、ポンと疾風の肩に手を置いた。



「疾風、俺はお前がもう当主を継げると思っている。
だから身代わりを行かせずに自分で行くんだ。」



俺が死んだら後は頼む。



疾風の返事も聞かず、宗治は足早に出ていった。



後には金縛りにあったように動けない疾風が残された。 













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