紅き天
基子は静乃な吉報を伝えるべく階段を登りながら城の家光を恨んだ。
「静乃、父様が帰ってきたぞ。」
畳を擦る衣擦れの音がして襖が勢いよく開いた。
「本当!?」
「ああ、でも今は寝ている故明日の朝に顔を見せてやりなさい。」
「はい!」
安堵する静乃を見て、基子は気持ちが曇った。
死んだのは疾風の父親、宗治なのだよ。
喜べることではないのだよ。
「…母様?」
「いや、まだ早いからおやすみ。」
素直に布団に戻る静乃を見届けて基子は襖を閉めた。
明日、疾風はどうしているだろう。
きっと悲しんで、ご飯を食べることもしないはずだ。
呼んでやろう。
基子は実の息子のような疾風を思い、涙をこぼした。
「静乃、父様が帰ってきたぞ。」
畳を擦る衣擦れの音がして襖が勢いよく開いた。
「本当!?」
「ああ、でも今は寝ている故明日の朝に顔を見せてやりなさい。」
「はい!」
安堵する静乃を見て、基子は気持ちが曇った。
死んだのは疾風の父親、宗治なのだよ。
喜べることではないのだよ。
「…母様?」
「いや、まだ早いからおやすみ。」
素直に布団に戻る静乃を見届けて基子は襖を閉めた。
明日、疾風はどうしているだろう。
きっと悲しんで、ご飯を食べることもしないはずだ。
呼んでやろう。
基子は実の息子のような疾風を思い、涙をこぼした。