紅き天
不思議そうにして、目の前に座っている子は現当主だが15歳なのだ。



まだ親に甘えて生きてもいい頃。



早くに母親を亡くし、今度は父親まで失った。



それでも頑張っている。



「疾風、家から荷物をとってこい。
日常で使う物だけ取り敢えずな。」


「はい。」



大分よくなった疾風はしっかりとした足取りで出ていった。



その様子を見て、基子は安心して肩の力を抜いた。



縁側に進み出、疾風が歩いて行くのを目で追う。



しばらくしてから基子は中に入った。












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