紅き天
静乃もおずおずとこたえ始めたので畳にゆっくりおろして本格的に口付けた。



静乃の口から押さえきれない声が漏れる。



愛しくて、ついつい暴走してしまった。



こういう事をしたのは静乃が初めてだが、何となく本能的に体が動くのだ。



「…ゴメン、ここまでな。」



不思議そうに静乃が俺を見上げる。



これ以上は理性がきかない。



多分、静乃が窒息してもおかしくない。



「明日、また。
楽しみはとっておくよ。」


「…自分だけ満足しちゃって。」



…待て、それは静乃はまだ満足していないって事か!?



「今自分がどんな事口走ったかわかってるかお前。」



フイッと生意気に顔を背ける。



初めて静乃から求めてきた。



なんというか嬉しい!



…でも今はマズい。



これから俺は仇を討ちにいく。



気持ちがフニャフニャしてたら駄目なんだ。





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