紅き天
「話はここまでだ。
…任務を遂行しろ。」



え…?



首を傾げて疾風は伝蔵をみた。



「お前は仇を討ちに来たんだろう?」



伝蔵は穏やかに笑っている。



「お前が入ってくる時の顔、まだ目に焼き付いているよ。」



確かに意気込んでいたからな。



でも今は殺気なんかぶっ飛んだ。


「もうそんなつもりない。」


「面子はどうする。」



今まで見たことない怖い顔をした伝蔵が疾風を睨んだ。



なんでだよ。



なんで怒られるんだよ。



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