紅き天
後ろからはガシャガシャと武装した兵たちが走ってくる音が聞こえている。
基子と静乃を荷台に押し上げ、疾風は急いで馬を駆った。
何度も何度も鞭打つと馬は全速力で走り出した。
追っ手は馬を持っていると思わなかったのか、乗り物を用意してはなかったらしく、誰も追ってこない。
ホッとして疾風は全身の力を抜いて静乃を見た。
そしてまた血の気が引く。
静乃は黙々と基子の手当てをしていた。
そうだ、まだ基子さんのことがあったんだ。
疾風は基子の枕元に座り、静乃に声をかけた。
「どうだ?」
「血が止まらないの。
斬られたところが肩と首で。
止まらない…。」
言葉を詰まらせ、静乃は唇を噛んだ。
このままでは失血死する。
でもなす術がない。
基子と静乃を荷台に押し上げ、疾風は急いで馬を駆った。
何度も何度も鞭打つと馬は全速力で走り出した。
追っ手は馬を持っていると思わなかったのか、乗り物を用意してはなかったらしく、誰も追ってこない。
ホッとして疾風は全身の力を抜いて静乃を見た。
そしてまた血の気が引く。
静乃は黙々と基子の手当てをしていた。
そうだ、まだ基子さんのことがあったんだ。
疾風は基子の枕元に座り、静乃に声をかけた。
「どうだ?」
「血が止まらないの。
斬られたところが肩と首で。
止まらない…。」
言葉を詰まらせ、静乃は唇を噛んだ。
このままでは失血死する。
でもなす術がない。