紅き天
■其の伍■
危
あれから大分日が経った。
静乃はほとんど全員の仕事を外し、安全の確認に回った。
ほとんどの家に子供がいて、なんとしてでも守りたかった。
「ゴメンねぇ、お嬢さん。
私らだけ逃れて。」
どこの家でも同じように謝られた。
「そんな。
泥被るのは私達だけで十分だもの。」
静乃もこう言って回った。
それまでは平穏な日々がまだ続いていた。
その日までは。
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危