紅き天
侵入者
疾風の馬鹿。
あんなに冷たくしなくてもいいじゃない。
静乃は枕に顔を埋めて呻いた。
きっと、私が兇手だって知らなかったらもっと優しいんだろう。
だって、今までちょっと甘えてみても優しかったもの。
なんか、キツくなったなぁ。
ハアッと大きなため息が出た。
なんか、この機嫌のまま敵と遭遇したら瞬時に抹殺出来る自信がある。
…家、帰ろうかな。
きっと朝会っても気まずいし。
でもまだそんなに夜遅くないから疾風起きてるかな?
帰るところ見られたら余計嫌だ。
どうしよう、と静乃は頭を抱えた。
何この状況。
ゴロゴロと転がっていると、窓の方から音がした。