紅き天
決闘
「始め!!!」
照日の声で、カキーンという金属音が両方から響いた。
「打ち負かす!」
「やれるのならやってみなさい!」
花の振り下ろす刀を受けて弾きながら、静乃は怒鳴った。
貴女なんかに疾風を取られてたまるもんですか!
ギッと花を睨みつけ、脚を蹴りつける。
「キャアッ!
痛い!」
「じゃあ降参したら?」
これくらいで悲鳴をあげるなんて、と静乃は本気で驚いた。
「脚に傷が残ったらどうしてくれるの!?」
「この際そんな貧相な脚、捨ててしまいなさい!」
これでよくも技術を磨いた、なんて言えたもんだわ。
同じ「兇手」という括りに入っている者として情けない。
少しイラッときた静乃は少しずついたぶって負かすことに決めた。