紅き天
私は…。



疾風…。



静乃は裏庭から少し見える疾風の家を見た。



私はあそこの家に嫁ぎたい。



でも駄目なんだろうな。



私は木更津の一人娘。



薬屋の息子の家に嫁入り出来るワケがない。



そういえば、疾風の上の名は市松だ。



まさか、敵対グループだったりして。



静乃は頭を振ってその考えを振り払った。



まさかね。



市松なんて、珍しくない。



木更津だって、この地域には多い。



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